ポストゲノム ~糖鎖~
ヒトゲノム研究に一区切り。
ヒトゲノムの後の世界的な研究テーマは「糖鎖」
「糖鎖」が注目されるようになったその経緯は?
いのちに必要な分子(2つ以上の原子がつながったもの。
原子は物質を構成する最小の単位です。)は、
大きく分けてタンパク質、核酸、脂質、それから炭水化物(糖質)
に分類されます。
いのちの設計図とも言われるDNAとこの設計図から作られる
タンパク質が体内の情報を伝達する本体と考えられていて、
長年研究が進められてきました。
しかし、理論上情報の全てを担うには
タンパク質の立体構造だけでは不充分であることがわかったのです。
糖質とタンパク質がつながった糖タンパク質、 糖質と脂質が結合した糖脂質の研究が1960年代になって始まりました。
これらは複合糖質と呼ばれ、
核のある細胞の表面を覆うように存在しています。
糖質はタンパク質や脂質に比べ、「結合できる手」が多いので、
複雑な構造を作ることができる特長があります。
例えば、4種類のアミノ酸を用いると24種類のペプチド形成が可能ですが、
同じく4種類の単糖では1000種類以上の組合せが可能となります。
これは「結合できる手」が、アミノ酸よりも単糖の方が多いからなのです。
このことから糖質を鎖のように繋ぎ合わせた”糖鎖”は、
たくさんの情報を担うには最も適したものであり、
タンパク質や脂質と組み合わせた複合糖質は
無数の情報を伝達できる分子であることがわかりました。
遺伝情報を持つ核酸を第一の生命鎖、
タンパク質を第二の生命鎖、
そして糖鎖は機能の高度化・多様化を担う第三の生命鎖と
位置づけられています。
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